本文へ移動

みやもっちゃんのひとりごと

【みやもっちゃんのひとりごと No.125】

2019-09-02
カテゴリ:みやもっちゃんのひとりごと
あゝ もう生きとられん
 
 手足腰は年相応の衰えはあるものの、母は88歳、今も現役の女将。心臓血管にステントは入っているが、口だけは超がつく程元気。甘えたいのか、心配して欲しいのか時折『新しい病気かも知れない』と言うのが悪いクセ。その母は決して昼間には電話して来ないのにその日は違った。何かあったのかと心配して取ってみると半べそかいた様な何ともテンションがおかしい。
母「もう死なんばいかん!もう生きとられん!あゝ何~もわからん」
私「どうしたと?どこか具合いでも悪くなった?」
母「2時間も待たされて・・・」
私「えっ!?病院で先生に何か言われたと?」
私の問いかけにも上の空。母「長く待たされた上に、色々言われる事が何もわからんと」
話している事がチンプンカンプン。戸惑いが伝わる。時間かけゆっくり聞くと話はこうだ。
 長年使っているガラ携の調子が悪いので、修理でもお願いしようと、痛い足を引きずってショップに行ったらしいのだが、そこで待ち時間が2時間。そりゃ~博多のど真ん中。予約ナシでは仕方ないと私は理解出来るが、座るも立つもしんどい母にしてみれば辛かったのでしょう。でもそこは長年の客商売で鍛えた持ち前の笑顔と接客業でグッと一つ我慢。カウンターに向い座ると店の方が「免許証を見せて下さい」と母に。母はていねいに「持っていませんよ」と言うと「では、身分を証明できる、出来れば顔写真の付いてるもの」と言われ二ツ目我慢。健康保険証で済ませた。今度は自立心の強い母に「だれか付き添いの方は?」と聞かれ三ツ目の我慢。「一人です」と答えやっと本題。ケイタイの調子が悪い事を伝えると「あ~もう機種変ですね」と母に。母「ハイ!機種がヘンなんです」と答えるととてもけげんそうな顔で「イヤイヤ機種の変更ですよ!」と投げ捨てる様に。もう母の心はズタボロ。手続きしながらもポイントがどうの、アドなんとかがどうで、アカ・・・・・??はと言われ何ひとつ理解できずパニック。そりゃ~88歳です。「あゝ何もわからん。電話ひとつでこんなになって、生きとられん」となるのも笑いが出るが、理解できる珍事。しかしこの母の姿は、高齢化の日本絵図。マニュアルに沿っただけの対人対応。敬意もなく老いてる事が悪いかの様に・・・・・母よ私だって毎回の会議、研修の後は”私の時代は終わった。ついて行けない”と痛感させられる毎日よ。と伝えたが電話の向こう側のダメージは大きい様だ。カワイソウニ。
 
差別、区別する事ない保険商品は 株式会社トータル
(宮本佐代子)
 
TOPへ戻る