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みやもっちゃんのひとりごと

【みやもっちゃんのひとりごと No.130】

2020-02-12
カテゴリ:みやもっちゃんのひとりごと
クリスマスローズが咲く頃
見た感じ私より10歳程年上かな?
その人を意識する様になったのは8~9年前の今の頃。
庭先に大好きなクリスマスローズが咲きはじめた頃だった。
小柄で、いつもシャツはピンク系(車もピンク)首にはスカーフ、足元は雪駄、短髪でチョロチョロと小回りよく動くユニークな人。
早朝より野山に咲く様な草花か農協の軒先で安価で販売されるそれを求めて誰よりも早く私は並ぶのだが、毎回その男との花争奪戦に敗北するのだ。
仏壇や墓参りの花を求め来てるのかと思いきや、その男の花の好みは、私と全く一緒で小回りのきく分、男の動きには勝てなかった。
そんな悔しい話を友人にすると「あっイシモッチャンやろね!」と即答。地元の有名人か?
 
花争奪戦の続くある日の夕食時、テレビ画面いっぱいのあの男の笑顔!
有名な絵はがき画家で、多くの生徒さんを持つ人気の先生だとの紹介に唖然。
仕事のアイテム、教材として沢山の季節の草花が必要だった彼、心の癒しに花を絶やしたくないこの私。
それはそれはぶつかって当り前だったのだ。
彼の必死さを思い出し一人で笑った。
 
ひとりごと(No.30)に彼との出会い、戦いを書き「こんな文章書いてみました」と思い切って手渡すと、満面の笑みで私の肩をたたき小躍りするかの様に喜んでくれた。
そして各教室の生徒さん方と回し読みして笑いあったことを教えてくれ「これも何かの縁だね~」と目を丸くし顔を突き出して笑った。
それからも週2~3回いつもの場所でいつもの列に並び合う花友は続いた。
旅をして人と出会うことを喜びとし、その縁の不思議さ大切さを語り、何故か”縁”だね~と彼は口ぐせの様に話す。
東京を旅してきたと言っては東京駅の絵を、画集を出したと言ってはその本を私にプレゼントしてくれた。
昨年10月、私の大好きな果物ポーポーが2~3日しか出ないのを知っていた彼は「買ってレジの人にあずけておいたよ」とメールをくれた。
そのお礼を伝えようといつもの列に並ぶが今日も彼の姿はない。
又、大好きな沖縄に旅してるかなと思っていたら訃報を耳にした。
『クリスマスローズが咲く頃出会って クリスマスローズが咲く頃あなたの突然の死を知った。石本ちゃん、これは何の縁なんですか?お茶した事もない、家も知らない、でも友達だったよね。花友達だったよね!今日はあなたの東京駅の絵を横にクリスマスローズを飾ります。うすいピンクの下向きのクリスマスローズを…ね。』
 
 保険もご縁ですね 株式会社トータル 
(宮本佐代子)
 
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