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みやもっちゃんのひとりごと

【みやもっちゃんのひとりごと No.127】

2019-11-07
カテゴリ:みやもっちゃんのひとりごと
奇跡なんです
 
 立て続けに襲われた台風による水害のニュースを見るにつけ 死者行方不明者299人を出した長崎大水害(1982.7.23)を思い出す。
2人目の子がお腹にいた私はいつもより帰りの遅い主人を窓を眺めながら待っていた。
たたきつける雨。道路を滝の様に流れる雨。
新しく買ったお気に入りのバイクにまたがり、いつもの様に出勤したはずの主人は、帰宅途中突然あふれ出した川の水にバイク共々流され、立木にひっかかっている所を道向こういた方にロープで救出してもらったのだと、ヨロヨロボロボロになって帰って来た。
本当に生きた心地のしない日であった。(もちろんバイクはなくした。)
流れるニュースも長崎の全体像はつかめないままでいた。
そんな中、翌朝には私の心配をよそに主人はシャベルをかつぎ、ボランティアに参加。
日見トンネル、芒塚地区の土砂をかき出す作業を手伝ったらしいのだが、帰って来た体からは鼻をつく汚泥臭。厳しい状況は十分に感じ取れたが、それだけではなかった。
土に埋もれた車の中より抱き合う様に発見された男女2人の遺体を目にした事を、涙しながら私に教えてくれた主人だがその後、しょぼ降る雨でも、どろ水に対してでも敏感になり、PTSDの様な症状が出る様になった。難病発症後はその症状も加速するかの様に感じた。
私が雨の中出勤する時は「気をつけて。気をつけてよ!」と叫ぶように送り出し、少しでも雨足が強くなると子供が帰りをせがむかの様に仕事中にもかかわらず何度も何度も帰ってコールが鳴った。
水にも流され悲惨な状況を目の当たりにしたのだから、そうなってもおかしくはなかったろう。
 
 今回被災された方々も、昨日までの当り前の暮らしが突然なくなってしまった。
いつの日か、目に見える日常が取り戻せたとしても、心は大丈夫だろうかと心が痛む。
こんな悲惨な現実を目にした時、いつもと変りない当り前の毎日を送れている事に感謝する自分がいます。
有難い事なんです。文字通り有る事が難しいという事、つまり奇跡なのです。
ただその奇跡の証明が出来ないから、時に横着になる。
私達は奇跡の連続の中で生きている事を忘れてはならないと、襲い来る自然の脅威からダメ出しを受けた気がしてならない。
 
 元気でいれる毎日を一緒にお守りします。株式会社トータル 
(宮本佐代子)
 
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